バイク事故による主な損傷部位とは

死亡者の損傷主部位は頭部と胸部で約70%に上る

バイクによる事故は、自動車事故に比べると重大な結果に陥る傾向があります。
2020年におけるバイクによる事故の死亡率は1.3パーセントとなっていますが、自動車の事故の死亡率が0.4パーセントと比べてみるととても高いことが分かります。
しかも、重傷者となると17.5パーセントにも及びます。

この死亡事故に関する詳細を見てみると、損傷を受けた部位で区分すると圧倒的に頭部か胸部が多いという統計も出ています。
頭部は43.3パーセントで胸部については26.6パーセント、合計すると約70パーセントにもなります。
それだけ、バイクに乗車中に転倒すると頭や胸を打つ可能性が高いということです。

衝突や転倒による衝撃で、ライダーが車体から投げ出されて道路や障害物に直接ぶつかってしまうわけです。
また、自動車とバイクが衝突した場合、軽い方に力がかかってしまうという法則がありますので、バイクの方が損傷が大きくなる傾向があるのです。

そして、バイクの方が事故に遭いやすい環境にあるという点も考慮すべきでしょう。
バイクは車体が小さいため、どうしても周りから認識されづらいものです。
よくあるのが自動車の左側にいて巻き込まれてしまうという事故で、これも自動車のドライバーがバイクの存在に気付かなかったために起こる事故です。

事故の後遺症の種類について

バイク事故によるダメージは深刻で、死亡に至らないとしても後遺症に悩まされるケースも数多く報告されています。
特にひどいのは神経障害で、脳に損傷を負い、体に麻痺が生じたり全く動かせなくなったりすることもあり得ます。
日常生活を自分一人ではまったく営むことができないほどの高次脳機能障害を負うケースも、少なくありません。

また、呼吸器の後遺症を負うこともあります。
肺や気管などに損傷を受けてしまい、その後も呼吸に障害が出ることがあります。
酸素を十分に取り込むができずに、酸素マスクを常時付けないといけないといった問題に直面する例も存在します。

また心臓の機能が低下してしまい、ペースメーカーや除細動器を埋め込まないといけないほどになる後遺症となることも考えられます。
他にも、消化器に損傷を負ったためさまざまな障害が残る恐れもあります。
内臓が衝撃、もしくは外傷によってダメージを受け、切除を余儀なくされるといった事故も起こりえます。

こうした内臓系へのダメージだけでなく、骨や関節、人体などに大きな損傷を受けることはバイク事故では多いです。
関節などをほとんど動かせなくなって歩行がうまくできず、松葉つえをついたり、車いすに乗ったりしないと移動ができないといった事態に陥るリスクも考えられます。