輸入に必要な手続きとは
海外からバイクを輸入する際には、いくつかの手続きを経る必要があります。まず最初に行うのが通関手続きです。輸入元から届いたインボイス(送り状)やB/L(船荷証券)などの書類を使って税関に申告し、通関証明書を取得します。この通関証明書は、後にナンバー登録や車検取得の際に必要になるため、大切に保管しておきましょう。
次に、日本国内での使用にあたって保安基準への適合が求められます。たとえばヘッドライトの光軸や光量の調整、スピードメーターのkm/h表示への変更、方向指示器の点滅間隔などです。国によって基準が異なるため、輸入車両をそのまま登録することはできず、これらの調整や部品交換が必要になるケースもあります。
輸入代行業者を通じて購入する場合は、これらの手続きをまとめて代行してくれる場合もありますが、個人輸入の場合はすべて自分で準備しなくてはいけません。
税金と費用の基本知識
輸入バイクには、関税・消費税といった税金がかかります。関税率は原産地によって異なりますが、たとえばアメリカ製バイクであれば関税は0~3%程度となることが多く、それに加えて消費税(現行10%)が課税されます。申告価格が高額であるほど、税額も増えるため、予算にはゆとりを持っておくほうが良いでしょう。
また、日本国内で使用するためには自動車重量税の納付も必要です。軽二輪(250cc以下)の場合は、新規登録時に4,900円が課されます。250ccを超える小型二輪自動車については、車両重量ではなく、登録からの年数に応じて税額が決まります。たとえば、新規登録から12年未満の車両は1,900円、13年以上で2,300円、18年以上で2,500円です。※2025年5月時点
このほか、自賠責保険の加入も義務となっており、期間に応じて保険料が発生。輸入費用に加え、こうした登録関連の諸費用も合計すると、車両本体価格以上の支出になる場合があります。輸入前に全体の費用を整理し、計画的に資金を準備しておくことが重要です。
登録前に必要な整備項目
輸入バイクを日本で登録するには、まず整備が不可欠です。とくに排気ガスや騒音の規制について、日本の法基準に適合していないバイクは、公的な試験を受ける必要があります。これには排ガス試験や加速騒音試験などがあり、それぞれに数万円から十数万円の費用がかかることもあります。
さらに、保安部品のチェックも行いましょう。ミラーのサイズ、ライトの明るさ、ウインカーの配置などが日本の基準に合っているかを確認し、不適合な場合は交換や調整が必要です。整備のために純正部品が入手しづらいこともあるため、整備を請け負ってくれるショップを事前に探しておくと安心です。
整備が完了したら、陸運局での車両登録手続きを行います。必要書類には通関証明書、譲渡証明書、整備記録などが含まれ、これらを提出してようやくナンバーを取得することができます。輸入車の登録は通常の中古車よりも手間が多いため、流れを把握して準備することが成功のポイントです。