初心者ライダー向け安全装備の選び方

頭部を守るヘルメットの選び方

ヘルメットは、ライダーにとって最も重要な安全装備です。日本国内で販売される乗車用ヘルメットには、消費生活用製品安全法に基づいて「PSCマーク」の貼付が義務付けられており、これが法的な最低基準とされています。これに加えて、SGマークやJISマークが付いた製品も存在し、これらは任意認証ながら一定の品質や安全性を示す目安になります。

また、国際的な安全規格としては、欧州の「ECE 22.06」、米国の「SNELL」や「DOT」などがあり、特にECE 22.06は近年世界的な主流となっている規格です。耐衝撃性や回転衝撃に関する厳しい試験をクリアしているため、保護性能の高さで注目されています。

ヘルメットの種類は、フルフェイス、ジェット(オープンフェイス)、システムの3タイプが一般的です。保護性能を重視するならフルフェイス、扱いやすさや通気性を求めるならジェットやシステムタイプも選択肢になります。装着時のフィット感や重量、視界の広さ、通気性なども含めて、自分の用途に合ったものを選ぶことが大切です。

身体を守るジャケットとプロテクター

ジャケットは、転倒時の衝撃や摩擦から身体を守る装備として欠かせません。肩、肘、背中などにプロテクターが内蔵されたモデルを選ぶことで、走行中の安心感が大きく変わります。特にCE規格やEN規格を取得しているプロテクターが入っているものは、安全性の基準を満たしており信頼性が高いといえます。

素材の選び方もポイントです。レザーは高い耐摩耗性を備えていますが重く、通気性は劣る傾向にあります。一方、テキスタイルやメッシュ素材のジャケットは軽量で通気性が良く、夏場の街乗りやツーリングに適しています。防水機能や防寒インナーが付いたタイプもあり、季節や目的に応じた選び方が重要です。

プロテクターはジャケットに内蔵されているもののほか、単体で装着するタイプもあります。胸部や膝など、転倒時に地面と接触しやすい部位への備えも意識しておくと、より安全性が高まります。走行スタイルや車種に合わせて、必要な部位の保護をしっかり考えて選びましょう。

手足の装備にも気を配る

安全装備として見落とされがちなのが、手足を守るグローブやブーツです。グローブは転倒時に真っ先に地面に接触しやすい手をしっかり保護できるものを選ぶことが基本です。ナックル部分にプロテクターが内蔵されているタイプや、掌に滑り止め加工が施された製品は操作性と安全性を兼ね備えています。

ブーツは足首の保護とペダル操作のしやすさを両立するものが理想です。スニーカーのような見た目でも、くるぶしを覆う設計になっていたり、シフトガードが付いていたりするライディング用ブーツが数多くあります。防水性や耐久性に優れた素材が使われている製品であれば、悪天候時の走行にも対応できます。

これらの装備にもCE規格などの安全基準を確認しておくと安心です。頭部だけでなく、全身をトータルで守る意識を持つことが、初心者ライダーにとっての安全対策の第一歩となります。